許さずに一生を共にする覚悟 寂乱ss

これからまた以前のようになんて無理だけれど許せなくても愛していることに変わりはないよ。」片手で抱き上げられてすごく久しぶりに近くで見る瞳は今まで一度も見たことがないような目をしていた。

急に抱き上げてごめんでも君が帰ってしまいそうだったから。」そう言って寂雷は僕をベッドの上によく横たわらせた。ばっかじゃないの「寂雷は僕を理解できないし僕はお前が嫌いなんだってば」「そうだねその二つはきっとこれからも変わらないけれど私も君お互いを愛し合っているその事実は変わらない。」それは愛していたのはお前だけで僕は寂雷なんかっ。そう言おうとしたのに寂雷の大きい右手が僕の後頭部をふわりと優しく包むから続きが言えなくなってしまった。本当は僕も寂雷を愛してたし愛しているから

君はたまに嘘が下手だけど嘘でも言ってはいけないことはある。そういう時私は君の唇を自分の口で塞いでいたね今日からまたそうしてもいいかい?」口が裂けてもいいよ。なんて言えなくて長い沈黙が流れて。でも駄目なんて言いたくなくて、折れたのは僕だった。頷いてしまった。

ありがとうこれは嬉しいからするキスだからそう言って寂雷にされたキスはやばい気持ちいい。キスなんて慣れてるのに。…....キスなんて慣れてるだろうに遠慮がちに絡ませてくる舌が可愛らしい。そして愛らしい吐息がなんというか、下品な話…ダイレクトに腰に来る。このまま昔のように本能に任せて抱いてはいけない。大切にしたい。頭ではわかってる。

「続き、していいかい…?」「っやだ」口ではやだなんて言うくせに手は私の服を掴んで目では縋るように求めてくるから、別れていた間やり場をなくしていた欲が溢れ出る。そんな時に私の頬に触れ申し訳なさそうな目でみてくるからたまらない。おそらく、彼は一生あの事を謝らないし反省もしないし許して欲しいだなんて言わない。だけど、そのせいで私と離れることになった期間についての「ごめん」そんな目をしていた。だから、今度は私から「大丈夫、変わらない気持ちが良くも悪くもあることは分かってるから。」そんな風に思いを伝えたくて口付けをして舌を絡ませる。背中に腕を回される。本当に、久しぶりだ。このまま、最後まで、終わっても離さない。逃がしはしない。なんて自分でも少し笑えるようなことを考えを隅に追いやって彼のパーカーから腕を抜かせてその下の服も脱がせる。あの頃のままの白く、柔らかそうで少し華奢で小さな体だけどしっかり男だ。それでいて成人男子と言われると違和感を覚える不思議な身体付き何より私よりも随分と脆そうで簡単に壊れてしまいそうで毎回できるだけ丁寧に優しく触れていたことを思い出す。

…….久しぶりに見られるのは少し、恥ずかしい。女を相手にする時はあんまり脱がないし、男とは、寂雷以外とはしないから。寂雷の熱い視線で僕の身体もじんわりと熱を持ち始める。なんでこいつはこんなに優しく僕を抱こうとするかな。愛があってもそれ以上に、いや、同じくらいだと思いたいけど許せないだろうに。優しく前髪をかきあげられて額、頬、そして口にキスを落とされていく。大切に、愛しそうな眼差しに涙しそうになるのを堪えて僕は寂雷の好きにさせる。好きにさせてやることは、受け入れるのは僕にとって愛しているからこそだから。絶対、口にはしないけどこいつもそれは分かってる。繊細な指先が僕に触れてくるから、愛情を注いでくるから身体が、頭が…ぼんやりとしてくる…じゃくらいの抱き方はいつももどかしいほど優しくて、困惑気味になるしそれでいて癖になるくらい…気持ちいい。だから、毎回逃げようと思うけど腕1本で簡単にとらえられる。逃がしてよ。そんな馬鹿なことを思いながら僕はいつも寂雷の腕の中に戻るんだ

…….「乱数くん、好きだよ、愛している。」きっと私はもうベッド上でしかここまでは素直に乱数くんを名前で呼べない。愛を伝えられない。わだかまりがあるから。限られた時だけだと切なくなりつつも必死に紡ぐ言葉。漏れる吐息も声もズボンが擦れる音も全て、聞き漏らさない。切ない気持ちを押し殺して何度も彼の名前と愛を口にした。

….ぼんやりと目を開けながら本当にこいつと、寂雷としたんだなんて思う。横に人の体温を感じて、というか裸で抱き枕にされているから嫌でもわかる。「僕、寂雷の抱き枕じゃないんだけど」わざと不満そうに口に出せば「分かっているよ。たんなる抱き枕だなんて思ってないよ。」なんて返してくるから「そう。」としか返せなくて。愛し続けてくれてありがとう。一生許さないうえでもう一度僕のそばにいていくれる覚悟をしてくれてありがとう。そんな気持ちを「気持ちよかったね。またしようよ。」最低な言葉で愛を伝えた。それなのに全てわかったような瞳でみてくるから居心地が悪くて目を閉じた。

主にクーモクと寂乱の短いss集

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傷つけあったからこそ今度はうまくいくよ。寂乱ss

こんなの初めてだ。デートで待たされるなんて。約束時間からすでに三十分経っている。送ったメッセも既読もつかない。まさか忘れてるなんてないだろうなと思い帰ろうとした時。

「ごめん待たせたね」少し息を切らした寂雷が申し訳なさそうな声と顔で現れた。

「も~寂雷ってばデートに遅刻なんてあり得ないよ~」内心イラつきながら人目もあるから怒ってないけど不満げな可愛い声で返した。僕役者になれるんじゃないのなんてどうでもいいことを頭に思い浮かべた。

「言い訳になってしまうんだけど仕事が長引いてしまってね。」本当は分かってる。寂雷は医者として有名な上に確かな腕があるから平日の日中にデートなんて難しいにも程があるのに、今日の午後休みを取らせた僕に非があることは。医者は午前は診察で午後は手術や検査、入院患者の様子を見たり忙しいんだろう。まあ、あくまで推測だから違う可能性もあるけど、それでもよりを戻したから一回も会ってないうえにメッセはいつも僕からで既読もなかなかつかない。不安にさせたんだからやっぱり寂雷が悪い。

「今回は許してあげるでも次のデートで遅刻したらメッ!だからね。」「うん、ありがとう。それじゃあ行こうか。」えっいや待って、あっさりしすぎじゃない???

昔付き合ってた時メッセに気づくのがちょっと遅れたぐらいで凄く謝ってきた人と同一人物?!「どうかしたのかい、飴村くん」は?その上苗字呼びかよ…こいつはもう昔のように俺を想っていない。そうはっきり態度で言われた気がした。「何でもない行こう」

そう言って向かった猫カフェで僕はまた思う。こんなはずじゃなかった。寂雷は猫を見て近づいてきた子を撫でて過ごしている。いや、確かに猫カフェなんだからそれが正しいんだろう。だけど一度も恋人に話しかけてこないってどうなの。

沈黙が怖くて僕からメッセのように話しかける「猫可愛いね。今日は僕が勝手にデート先決めちゃったから次は寂雷が決めていいよ。」「そうだね、じゃあまたどこかいいところがないか調べておくよ。」その返答に少しほっとして猫とじゃれるのもほどほどにして次の店に向かった。

落ち着いていて気品がある店を僕はこの日のためにポッセの二人と色々な店に行ってここに決めた。店内は上品で洗練されているテーブルや椅子のデザインになっていて、寂雷の落ち着いた大人の雰囲気によく合うだろう。そう思ってこの店にした。

名前を告げ席に案内され僕も寂雷も本日のおすすめを選ぶ。それと本日のおすすめのパスタ、海老のトマトクリームパスタに色を合わせて明るい赤ワインのキャンティを。

ワインとパスタが来るまでを話せばいいのか僕は困っていた。腰掛けたカウンター席は程よい距離だ。近すぎず遠すぎず。いい距離感だけど僕と寂雷の心の距離はかなり遠い。何を質問をしてもどんな話題をふっても会話は続かない。俺と話すのそんなに嫌なのかよっそう思わず口にしそうになったタイミングでキャンティが出される。

できるだけ明るく「乾杯!」そう言うと寂雷もグラスは傾けてくれた。そしてすぐに海老のトマトクリームパスタも来た。食事中なら無理に会話しようとしなくてもすむ。そんなことを思いほっとした自分に気付かないふりをした。

「美味しかったね。また来ようよ。」「そうだね。」

もう限界だ。店を出て人通りの少ない路地裏で静かに別れを告げた。そんな僕の別れの言葉に驚いた顔をしたからもしかして別れたくないそう思ってくれたのかと一瞬期待したけど現実は違った。

「君が望むなら、それじゃあまたね。」そう一言告げて立ち去ろうとした、その姿を見て僕は、俺は感情が爆発した。「ふざけんな!何でそんなに簡単に別れを受け入れんだよ!より戻したのに前みたいに名前で呼んでくれないし話題振っても会話続けてないくれないしお前と昔みたいな…そんな期待を抱いて必死になってる俺を見るのが楽しかったか?!」

「そうだね」そう言われるのが怖くて走って家に帰ろうとした俺を、誰かが後ろから強く腕を引いて抱き寄せた。

「ごめん、本当に違うんだ。ただ君を愛している気持ちと許せない気持ちが葛藤している時に君からもう一回やり直そうよそう言われて、正直とても嬉しくて。だけどそれからよりを戻してからまた、いつか君と別れることになるんじゃないか。そんなこと考えたら君からくるメッセージと優しい言葉がまた消えてしまうかもしれない。それならいっそ最低な態度で別れを告げてもらおうと思って酷い言動をした。」

じゃく…らいも、また別れるのがこわかった…?

「でもいざ君から別れを告げられて、君が立ち去ろうとした姿を見たらどうしても君を失いたくなくなって体が勝手に動いて今は君を抱きとめてしまった。頭で倫理的に考える思いは君に別れを告げてもらうことだっただけど…心は感情の想いはやっぱり君と恋人でいたい。思いと想いが噛み合わなくて、本当に酷いことをした。ごめんね、何でもするから許してくれなんて言える立場じゃないのはわかっているよ。だけどお願いだよ、私を嫌ってもいいから乱数くんの恋人でいさせて。」

久しぶりに寂雷に名前で呼ばれた。頭が追いつかない。長いんだよ、寂雷の…お前の話は…でもずっとこの長い話が聞きたくて寂雷の想い、心の声が聞きたかった。

「嫌い、嫌い、大嫌いっ!…だけど愛してる。めちゃくちゃすぎるだろお前、頭と心が一致しないなんてどれだけ僕のこと愛してるのさ…」

今にも涙が溢れてしまいそうな瞳で私に無理やり笑顔を作って愛してる。そう言ってくれた彼を気付いたら抱き上げてキスをしていた。そんな私に乱数くんは少し驚いて、でも私の頬に触れて「死んでも、より戻してから今日までのことは許さないし、寂雷も俺の過去を許さなくていい。俺は寂雷を、寂雷は俺を許さない。これでお互い様だ。」

そんな風に笑う彼が愛しくて「死んでもお互いを許さない…そうだね。でもそれに1つ付け加えよう。お互い死んでも乱数くんは私を、私は乱数くんを愛すること。」

そうしてもう一度触れるだけのキスを。

きっと今度はうまくいくよ。

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